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第 5 章 セキュリティ

PHP は強力な言語そしてインタプリタであり、モジュールとして Web サー バーに組み込んだ場合でも、独立した CGI バイナリ として実行される場合でも、ファイルをアクセスしたり、コマンドを実行 したり、サーバーへのネットワーク接続を開くことができます。デフォル トでは、これらの機能を実行した場合、Webサーバー上でセキュリティ上の 問題を生じる可能性があります。PHP は、特に CGI プログラムを書く場合、 Perl や C より安全な言語となるように設計されています。コンパイル時 または実行時の設定オプションを正しく選び、適切なコードを書くことに より、必要な自由度とセキュリティの組み合わせを確実に提供することが できます。

PHP の使用法に多くの異なった手段があるように、PHP の動作を制御する 多くの設定オプションがあります。オプションの選択肢が広いため、PHP を様々な用途に使用することができます。しかし、このことは、これらの オプションとサーバー設定の組み合わせによっては、安全でない設定とな ることを意味します。

PHPの設定の自由度はそのコードの柔軟さにほぼ匹敵します。PHPは、シェ ルユーザコマンドを全て実行可能な完全なサーバーアプリケーションや 厳しく制御された環境で低リスクの簡単なサーバーサイドインクルードを 使用できるようなアプリケーションを構築する場合に使用することが可能 です。そうした環境の構築方法、セキュリティのレベルはPHPの開発者に大 きく依存しています。

本章は、安全に使用可能な異なった設定と条件の組み合わせについての説 明から始めます。続いて、複数のセキュリティレベルのコーディングにお ける複数の考慮事項について説明し、最後にいくつかの一般的なセキュリ ティ上のアドバイスを行います。

一般的な考慮事項

完全に安全なシステムは理想の産物でしかないため、セキュリティ業界で しばしば使用される手法は、リスクと利便性のバランスのとれた手法です。 変数がユーザから投稿される度に(網膜スキャンと指紋のような)2種類の 生体認証が必要だとしたら、極端に高いレベルの説明義務を生じます。ま た、かなり複雑なフォームを埋めるために30分もかかるとすれば、ユーザ がセキュリティをバイパスする手段を探す気分にさせる傾向があります。

最善のセキュリティは、通常、ユーザによる業務の達成を防たげずに要求 を十分に達成できる程度にさしでがましくないものです。むしろ、いくつ かのセキュリティ攻撃は、単純にこの種の多げさに構築され、時間を浪費 しがちなセキュリティ機構を狙うものです。

記憶するに値する言葉として次のようなものがあります。「システムは鎖 の最も弱い輪と同程度に優れている」全てのトランザクションが時間、場 所、トランザクションの型等に基づき大量に記録されているが、ユーザは 一つのクッキーのみにより認証されている場合、ユーザとそのトランザク ションログの結び付きの確実性はかなり弱くなります。

テストの際に、最も簡単なページに関してでさえ、全ての可能性をテスト することは不可能であるということを頭に入れておいて下さい。期待する 入力は、不機嫌な社員、経験のあるクラッカー、キーボードの上を歩く家 の猫による入力とは全く無関係でしょう。これが、想定外のデータが入力 される可能性がある場所を見分けるために論理的な視点からコードを見て、 その後、修正、減少、または詳細に調べるというのが、最善であるという 理由です。

インターネットにはあなたのコードを壊したり、システムを破壊したり、 不適切な内容を投稿したり、その他あなたの一日を不快にするようなこと により自分の名を馳せたいと思う人がたくさんいます。サイトの規模の大 小によらず、単にオンラインであり、接続できるサーバを有しているだけ で攻撃目標となりえます。多くのクラック用プログラムはサイトの大きさ を考慮せず、犠牲者を探しつつ大きなIPブロックで網を張っています。